2018年に旧型レンズから約12年が経ち発売された「EF70-200mm F4L IS Ⅱ USM」
前回は外観や機能中心のレビューとなりましたが今回はボケや解像度について簡易的なものですが検証していきたいと思います。
旧レンズ「EF70-200mm F4L IS USM」との比較となります。
使用カメラ：EOS 5D MarkⅣ
※レンズ本来の描写をチェックするため、レンズ補正は全てオフにしています。
【追記2019.6.17】逆光条件を追加しました
ボケテスト
70mm、135mm、200mmの各焦点距離でテストをしました。
F値：F4.0,F5.6,F8.0,F16
写真左側：EF70-200mm F4L IS Ⅱ USM（新レンズ）
写真右側：EF70-200mm F4L IS USM（旧レンズ）
70mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16
まずは広角端70mmでの比較です。
条件によりけりですが、思ったより差がなくてF4.0では旧レンズ（右側）のほうが奥側のユリの花のボケが若干固いという印象です。
135mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16
ボケの前に気づいたことがありまして、新レンズ（左側）のほうがアンバーですね
コーティングの違いなどが現れているのでしょうか
135mmは70mm以上に差が小さいと思われます。
200mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16
200mmも135mmと同じ傾向です。色はやはり新レンズのほうが暖色寄りですね
旧レンズは時々ボケが非常にうるさかったり二線ボケだらけになることがありますが、今回の撮影条件ではボケはまあまあ良かったです。
どちらのレンズも大口径単焦点のようなとろけるボケにはならないです。
もちろん新レンズのほうが最大撮影倍率が大きいのでその分ボケも大きく表現することができます。
解像度テスト（近景）
遠くのものを撮る時間と場所が用意できなかったので庭の石を撮影しました。
F値：F4.0,F5.6,F8.0,F16,F32
写真左側：EF70-200mm F4L IS Ⅱ USM（新レンズ）
写真右側：EF70-200mm F4L IS USM（旧レンズ）
※1800×1200で切り出しています。クリックまたはタップすると画像が拡大します。
70mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16 
Ⅱ F32 
Ⅰ F32
新旧どちらも開放から解像度が高く、草や石の表面の状態をしっかりと描写しています。
新レンズのほうが若干線が細い印象です。
新旧どちらもF8が解像力のピークとなりF16からは少しずつ回折の影響が出てきます。
F32では回折の影響によりぼやっとした描写になっています。この回折（小絞りボケ）の影響は新レンズのほうが小さいです。
135mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16 
Ⅱ F32 
Ⅰ F32
ズームの中間135mmも70mmと描写傾向は同じで新旧どちらも開放から解像力が非常に高いです。
ぱっと見ではどちらが新しいレンズか見分けが付かないですね笑
F32では回折の影響でかなりぼやっとしています。
200mm
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F5.6 
Ⅰ F5.6 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16 
Ⅱ F32 
Ⅰ F32
さすがのLレンズズーム全域で描写が一定です。
同じ事の繰り返しですが、新旧どちらも開放から解像し、F8がピークといったところです。
旧レンズはバキバキに解像しているのに対して、新レンズは繊細さが増している印象です。
逆光条件
6月の強烈な太陽に向けて撮影
カメラに悪影響があるといやなので70mmのみでテストしました。
F値：F4.0,F8.0,F16
写真左側：EF70-200mm F4L IS Ⅱ USM（新レンズ）
写真右側：EF70-200mm F4L IS USM（旧レンズ）
Ⅱ F4.0 
Ⅰ F4.0 
Ⅱ F8.0 
Ⅰ F8.0 
Ⅱ F16 
Ⅰ F16
手持ちでの撮影なので微妙な構図の変化はご了承ください。
逆光に弱いと言われている旧レンズですが開放では太陽光周辺そして右下にゴーストやフレアが大量発生しています。
新レンズもゴーストが発生していますが、旧レンズよりはすっきりしています。
また、右下のアンテナを見ると新レンズのほうが明らかに解像度が高いです。
逆光などの厳しい条件ではやはり新しいレンズのほうが優秀ですね。コーティングの進化がはっきりと見られました。
（旧レンズの8枚絞りによる光芒も捨てがたい・・・）
総評
思っていたより新旧の差があまりない結果になりました。（旧レンズの描写力が高すぎるのもありますが）
新レンズは旧レンズの解像度にプラスして線の細さが増し、もしかしたらF2.8通しズームに近づいたのかもしれません。
今回は近景でしか検証ができなかったので遠景になるとまた結果が違ってくるのかもしれません。
まとめますと
ボケ：新レンズ≧旧レンズ
解像度（近景）：新レンズ=旧レンズ（好みによる）
逆光：新レンズ＞旧レンズ
私個人からの評価としますと上記の結果となりました。
次回はこのレンズをしばらく使ってみての最終的なレビューをします。
旧レンズから買い換える価値はあるのか？
新たに買う場合はどちらが良いか？
についても答えていきたいと思います。
今回のテストについて感想や意見（自分はこっちの方が良いなど個人的な意見もどうぞ）がありましたらコメントへお願いします。
以上簡易的なものでしたが「EF70-200mm F4L IS Ⅱ USM」の描写力テストでした。
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